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概要


Yellowfinのビューは、ソース接続とレポートビルダーの間にある、メタデータレイヤーです。テーブル間の関係性を定義したり、レポート作成者がアクセスするフィールドや、これらのフィールドのデフォルト書式を定義したりするために使用されます。レポート作成者は、ビュー内で定義された関係性やフィールドをレポートの基礎に使用することで、その背後にあるロジックを理解する必要がありません。


レフトサイドナビゲーションの「閲覧」項目から、既存のビューにアクセスすることができます。

詳細については、ビュー作成を参照してください。

ビュー管理者とは

ビューは、管理者によって作成されます。ビュー管理者の標準的な基準はありません。データベース管理者、アプリケーションマネージャー、開発者、プロジェクトマネージャー、または、ビュー作成に十分な技術を持つビジネスユーザーが、ビュー管理者になり得るでしょう。

ビュー管理者には、以下の技術や知識が必要です。

技術と知識説明

ユーザーニーズを分析する能力

ビュー管理者は、ユーザーニーズを分析して、ユーザーに分かりやすい用語でカテゴリーやフィールドを作成し、ユーザーニーズに合致するビューを構築できる能力が必要です。

データベースの知識

ビュー管理者は、企業のデータベース管理システム(DBMS)について、実践的な知識を有している必要があり、データベースの運用状況や、その論理的構造、格納されているデータタイプについて、熟知している必要があります。

SQL (Structured Query Language)

SQLに関する、実践的な知識が必要です。

ビューコンポーネント


ビューには、以下の構造が含まれています。


コンポーネント説明

カテゴリー

フィールドカテゴリーは、ビュー内のフィールドを論理的に分類するために使用されます。カテゴリー名は、ビジネスユーザーにとって分かりやすく、フィールドに含まれるものが想像できるものにしてください。

例えば、「個人情報」という名前のカテゴリーには、人物の名前、年齢、性別等が含まれているであろうと想像することができます。

フィールド

フィールドは、データベース内のデータや、その派生物を示すコンポーネントです。フィールド名は、それを使用するユーザーにとって、分かりやすいビジネス用語を使用してください。

例えば、製品責任者によって使用されるフィールドは、製品、ライフサイクル、発売日といったものになるでしょう。財務アナリストが使用する場合は、利益率、投資対効果といったものが考えられます。

レポート作成者はビュー内のフィールドを参照することで、データベーススキーマに挿入されているSQL構造を推測することができます。

フィールドのタイプ

ビューを作成する際には、フィールドを定義し、カテゴライズしなくてはいけません。フィールドの定義は、そのフィールドを分析やレポートで、どのように使用することができるのかを明らかにします。フィールドは、ディメンション(次元)、またはメトリック(数値)のどちらかに定義されます。フィールドのタイプに応じて、その用途は異なります。

タイプアイコン説明
ディメンション(次元)

ディメンション(次元)フィールドは、レポート作成において、分析の基礎となるデータを呼び出します。一般的には、文字データ(社員名、企業名、など)です。

メトリック(数値)

メトリック(数値)フィールドは、データベース内のデータの計算結果となる数値データを呼び出します。メトリック(数値)は変動します。返される値は、一緒に使用しているディメンション(次元)に依存します。例えば、クエリ―内に人物と年齢を含む場合、人物ごとに年齢が計算されます。

属性ディメンション(次元)フィールドの詳細表記です。これは、SAP BW BExレイヤーへの接続が確立された際に表示されます。
日付日付フィールドは、データベース内の日付、期間、タイムスタンプとして認識されるか、変換されたテキスト、またはメトリック(数値)フィールドとして認識されます。
ジオグラフィー

ビューの地理フィールドは、ジオパックとリンクしているフィールドです。

定義済みフィルター

定義済みフィルターは、ビュー作成時に条件を設定済みのフィールドです。これは、クエリ―結果を、必要な情報だけに絞りこむ際に役立ちます。例えば、フィルター名が「アメリカ合衆国」の場合、返される結果は、アメリカ合衆国のデータのみとなります。

パラメーター

パラメーターは、ユーザーが定義した値を取得するために使用されるフィールドであり、その値は計算フィールドやフィルターへ渡されます。これらのパラメーターは、what if分析(仮説分析)を実行する際に役立ちます。

ビューフィルターグループ

ビューフィルターグループは、フィルターとして使用するためのフィールドのセットであり、複数回再利用することができます。フィルターグループには、フィルター従属階層関係や、キャッシュされた値を含めることができます。一度設定をすると、レポートごとに設定をする必要がありません。

ビューの利用


ビューは、レポート作成者が使用します。ビューのメタデータは、Yellowfinのレポジトリに保存され、集中管理されています。エンドユーザーは、レポートを実行する際に、ウェブブラウザを通して、ビューに接続します。



ビューを使用することで、エンドユーザーは、ソースシステム内のデータに自動的にアクセスすることができます。データへのアクセスは、ビュー内で利用可能に設定したフィールドのみに制限されています。これらのフィールドは、レポート作成者のニーズに基づいて、管理者によって定義されたものです。

データ分析を支援

ビューは、必要に応じて、どのようなアプリケーション、システム、ユーザーグループに対しても、データを提供することができます。例えば、マーケティング部門や会計部門が必要とするフィールドを含めることができます。

ビューはまた、部門内のチーム、または給与や在庫管理システムのような、組織化された処理のニーズにも対応することができます。

ビューの利用者

Yellowfinのレポート作成者は、レポート作成や分析作業のために、ビューを利用します。ビューは、レポート作成者のビジネス分野に関連する、カテゴリーやフィールドを提供しなくてはいけません。

ビューの設計


ビューの設計方法は、次の4つのステップで構成されています。



  1. ビジネス上の課題を分析し、それに対応するビューソリューションを計画する
  2.  ビューを構築する
  3.  フィールドを定義し、計算フィールドを作成する
  4.  ユーザーにビューを公開する


各実装フェーズは、最初の計画フェーズが完了している、という前提に基づいています。

  1. ビューを計画する
    ユーザーニーズの分析と設計は、プロセス内で最も重要なステージです。ビュー内のフィールド名にビジネス用語を使用し、アクセスできるデータへのニーズを満たすためには、開発プロセスにおいて、ユーザーに深く関わってもらう必要があります。
    このステージが適切に完了すれば、実装作業自体は非常に素早く、簡単に行うことができます。そのためには、以下のポイントに注意をしてください。
    1. ビューを利用するユーザーの、データ分析やレポート作成におけるニーズを、十分に理解する必要があります。データベース内で利用可能なカラム(列)を使用するだけでフィールドを作成するのではなく、ユーザーニーズ分析の結果として、必要なカラム(列)を定義してください。
    2. ユーザーにとって必要なフィールドの作成に要求される、ソースシステムデータとビジネスルールを十分に理解してください。
  2. ビューを構築する
    ビューの背後にあるデータベース構造のために、テーブル間の結合設定を定義します。ソースデータベースから、適切なテーブルとカラム(列)を選択し、リンクが必要なものを結合します。
  3. フィールドを定義する
    ソースシステムテーブルからカラム(列)を選択し、これらのフィールドをカテゴライズします。これらのフィールドは、ユーザーのレポート作成ニーズ分析に基づいて、定義されます。ユーザーのレポート作成能力を拡張し、クエリ―パフォーマンスを最適化するために、計算フィールドやフィルターを、追加で作成することもできます。
    ビュー構造の整合性をテストします。また、ビューを使用して、実際にレポートを作成するテストも、実施してください。
  4. ビューを公開する
    まずは、少数のユーザーへ試験的にビューを公開し、徐々にアクセスできるユーザー数を増やすことで、実用に足るレベルに修正します。

以下の表は、一般的なビュー開発サイクルにおける、主要なフェーズを示しています。

開発フェーズ説明

準備

対象のデータソースを特定し、その構造に精通します。

ビューに必要な各テーブルに、どのようなデータが含まれているのか把握し、関連するテーブルを結合します。

分析

ユーザーが必要な情報や、要求している標準的なレポートを特定します。

ユーザーの使用するビジネス用語に精通することで、フィールドに実用的な名前を付けることができます。

プロジェクト戦略を特定します。例えば、ビューはいくつ必要か、そのうちのどれを、どの程度のレベルでリンクしなくてはいけないのか、等についてです。

実装

データベース上か、Yellowfinのビュービルダーを通して、ビューを構築します。

SQLの有効性と、信頼性を確認するために、構築プロセス中に、頻繁にテストをしてください。

テスト

ビューに必要な情報について熟知しているユーザーで、少人数のグループを編成します。

ビューのアクセスセキュリティ一覧に、これらのユーザーを加えることで、ビューをプレリリースします。

これらのユーザーに、実際の使用状況を想定した、綿密なテストの実行を依頼します。

ディプロイ

テスト環境から本番環境へ、ビューを移行します。

対象のユーザーが利用できるように、ビューのアクセスセキュリティを変更します。

発展

データソースや、ユーザーニーズの変更、拡大に応じて、ビューの更新やメンテナンスを行います。

注意: ビューの設計は常に、データソース構造ではなく、ユーザーニーズに基づいて行わなければならないことを念頭に置いてください。

ビューの承認


ビューに承認機能を設定することができます。この機能が設定されたビューは、承認者からの承認なしに公開することはできません。


より詳細な情報は、こちらを参照してください。